シアリス(Cialis)は三大ED治療薬の中でも3番目に承認されたED治療薬で、バイアグラ(Viagra)やレビトラ(Levitra)には食事の影響や副作用に関して少し使いづらいなどありましたが、シアリスはこうしたことを受けて副作用や食事の影響に関して若干少なくなりました。何よりも効果の持続時間に関しては「ウィークエンドピル」と海外で呼ばれる通り、週末に服用することで日曜の朝までカバーできる30時間~36時間という長時間作用が最大の特徴になります。
ED治療薬の特許期間満了に伴い様々なジェネリック医薬品が世に出ていますが、基本的にはその有効成分や作用、副作用に関して先発品と何ら変わらない為ジェネリック医薬品と先発品を手に取るなら価格の面で比べることになるので、ジェネリック医薬品の方が使いやすいと感じます。
今回はそんなシアリスのジェネリック医薬品タダシップ(Tadacip)についてです。
タダシップとは
冒頭の通りタダシップはシアリスのジェネリック医薬品に位置しており、有効成分が同じなのでその効果や副作用などはシアリスと同じ作用を示します。タダシップはインドのムンバイにあるシプラ社(Cipla Limited.)によって製造販売されており、シプラ社はED治療薬の他にも抗生物質や抗うつ剤、糖尿病や心疾患に関する薬剤開発・販売も手掛けており世界でも約170ヶ国への販売実績をもつので、インド国内でも製薬会社として知らないものはいないと言われるほどの大企業になります。
タダシップの有効成分
タダシップはシアリスのジェネリック医薬品ということからも、その有効成分はタダラフィル(Tadalafil)になります。タダラフィルは上記の通り長時間型PDE-5(ホスホジエステラーゼ5型)阻害薬と呼ばれており、日本国内における適応症としてはED治療の他にも肺動脈性肺高血圧症、前立腺肥大症に伴う排尿障害においてタダラフィルは認められています。
有効成分のタダラフィルは同じですが、その用量や服用方法などによって適応症が異なり商品名としてはED治療にはシアリスで、肺動脈性肺高血圧症にはアドシルカ(Adcirca)が適応薬となり、前立腺肥大に伴う排尿障害に関しての適応薬としてはザルティア(Zalutia)があります。それぞれに適したこうかをもたらすのですが、ED治療薬としてのタダラフィルの働きとしては他のED治療薬と同様にPDE-5阻害薬として効果を発揮します。
PDE-5阻害薬の働き
まず、性的刺激や興奮が脳内でNO(一酸化窒素)という伝達物質を放出し、cGMP(環状グアノシン一リン酸)というNO作動性物質が反応します。cGMPは陰茎付近の血管の筋肉である平滑筋を弛緩させる作用があり、この結果血管が拡張されるため血流長が増加します。陰茎付近の血流が増えると陰茎海綿体にも流入しするのですが、陰茎海綿体はスポンジのように血液をたくさん含むことができる構造をしており、流入した血液をどんどん蓄えていき膨張し海綿体の内圧が上がり動脈を圧迫することで蓄えた血液の流出を抑えます。これが勃起をしている状態になります。
次に、射精や性的興奮がなくなったときに陰茎などに存在するPDE-5という酵素が活性化しcGMPを分解していきます。cGMPは血管を拡張させますがPDE-5はcGMPを分解することで血管を収縮させ元に戻します。次第に血流量が減少するので内圧が下がり陰茎海綿体も元に戻ります。これが勃起がおさまる状態になります。
ED(勃起不全)は通常の勃起がおさまるタイミングで活性化するはずのPDE-5が、「常に」もしくは「早い段階」で活性化してしまいます。その結果性的興奮があっても硬度が出なく挿入に至らなかったり、勃起していざ女性器に挿入してすぐに萎えてしまうと言った症状になってしまいます。
PDE-5阻害薬はこの時にPDE-5の酵素活性を抑制するためスムーズに勃起させることを補助します。また、性的刺激があって勃起するのを補助するのであって、飲んで勃起するような「勃起薬」「精力剤」といったものとは異なります。勘違いしやすいのですが、効果が持続するかぎり勃起し続けるのではなく、性的刺激がなくなったり射精した後は勃起がおさまりますので安心してください。
タダシップの服用と効果
タダシップも有効成分がタダラフィルなので、その効果や飲み方はシアリスと同様に水かぬるま湯で性行為の約2時間前などに服用することをお勧めします。タダラフィルの最大薬効時間が服用後の3時間~4時間になるため他のED治療薬に比べて早めに服用することがいいとされます。効果持続時間は冒頭の通り約30時間~36時間になります。食事の影響が少ないと言われていますが、実際のところタダラフィルに限らずすべてのED治療薬において食事の影響は受けます。体調や個人差はありますが基本的に服用時は空腹時の服用が胃腸での吸収が高まり効果がしっかりと得られます。
タダシップの副作用
こちらもシアリスにおける副作用と同様なものが発現し、よくお酒に酔った時のような状態になるといわれており顔のほてりや目の充血、鼻詰まりや頭痛の報告があります。いずれも重篤な症状ではなく薬効が消失することで副作用もおさまります。また、頭痛が気になる方はロキソニンなどの鎮痛剤が併用できるためお勧めです。
タダシップが服用できない方
重度の肝障害をお持ちの方や網膜色素変性症を持ちの方、6ヶ月以内に脳出血や脳梗塞の既往歴がある方、医師に管理されてない血圧異常の方や不整脈の方、心血管障害の方、不安定狭心症の方、硝酸剤や一酸化窒素供与剤を服用中の方、リオシグアトを服用中の方、タダラフィル製剤でアレルギーを発症したことがある方。
タダシップの購入
最近ではパソコンやスマホの普及に伴い、薬剤を検索するとすぐにインターネット通信販売や個人輸入代行業者などの通販サイトが引っ掛かります。こうしたネットでの購入には偽造品が混入していることが約6割あると調査結果で出ています。知らずに服用して重篤な健康被害になることを避けるためにも、専門のクリニックや医療機関で医師から処方されたものを使用された方が安全です。